バリアフルレストラン
「車いす使用者が多数派、『二足歩行者』が少数派である社会」を体験することができる「バリアフルレストラン」に行ってきました! 体験イベントの予約が満員だったため、見学と取材をさせていただきました。
バリアフルレストランは、「誰もが誰かのために共に生きる委員会(チーム誰とも:運営主体・(公財)日本ケアフィット共育機構)」が全国の自治体等に提供している体験プログラムです。ここでは二足歩行者が障害者。障害者が受けている困難を体験し、二足歩行者にとっての当たり前を見つめなおすことができます。
入店してすぐ、身長150cm台の私が天井に頭をぶつけてしまいました。
ここは車いす使用者が多数派の社会。そのため、天井を高くする必要がないんです。建設コストを抑えることができます。
二足歩行者は、頭をぶつけないように、かがみ続けていないといけません。ヘルメットをかぶり、怪我を防ぎます。車いす使用者が取りやすいように、すべての物が低い場所に置いてあります。
「近ごろ、新型コロナウイルスの影響で、いたるところに消毒液が設置されています。しかし、ほとんどの消毒液は二足歩行者にとって使いやすい高さに置いてありますよね。その高さだと車いす使用者には届きにくいですし、そもそも足でペダルを踏むことができません。」と説明を受けました。
顔に消毒液がかかってしまう危険性もあります。車いす使用者だけでなく、子どもも同様の恐れがあります。
さらに、テーブルがあるのにいすがありません。車いすで食事をするのに、いすがあったら邪魔ですよね。腰や足が痛くなってしまいそうです。
印象的だったのは、レストランの壁に貼ってあったポスター!
イメージ図↓
なるほど、車いす使用者が多数派のコミュニティでは、二足歩行者が障害者。
この世界では、二足歩行者にいすを用意することが、合理的配慮に当たります。
「環境によって、支援・配慮を必要とする人が異なる」ということを学びました。
障害は社会がつくっているということを感じました。
誰が置き去りにされている?
ここで、パネル展示にあったクイズ二問をご紹介します。
クイズ①
*許可を得て掲載しております
答えは、……
左利きの人がトランプを持ったとき、手や指で数字が隠れてしまうことを、ご存じでしたか?
世の中のさまざまな物は、マジョリティを対象として設計されています。しかし、それだと「置き去り」にされてしまう人がでてきてしまいます。
四つの角すべてに数字が書いてあるトランプであれば、右利きの人・左利きの人どちらでも使いやすいですよね。
環境を改善することで、生活がしやすくなる人はたくさんいます。
偏見が含まれている言葉
クイズ②
次は、別のパネル展示をご紹介します。
皆さん、この言葉を見て何を感じますか?
イクメンの反対語は……
ないですよね。
「イクメンという言葉には、男性は家事や育児をしないのが当たり前、女性は家事・育児をするのが当たり前という無意識な偏見が含まれており、だからこそ家事・育児をする男性が“イクメン”としてフィーチャーされるのです。」と説明を受けました。
世の中は、偏見が含まれている言葉でありふれています。
感想
スタッフの方から「社会環境により『置き去り』にされている人がいる」と聞いたときに、私は、障害者を思い浮かべました。
しかし、左利きの人等、そのほかにも不便を感じている人はたくさんいるということに、気づくことができました。
そのため、世界は、マジョリティのためではなく、みんなのためにデザインされる必要があるということを学びました。
機会があれば、ぜひみなさんもバリアフルレストランを体験してみてください。
今回、取材、執筆にご協力いただいた「チーム誰とも」様、どうもありがとうございました。
バリアフルレストラン基本情報
●開催:不定期(全国の自治体・企業に派遣)
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