~はじめに~
この記事で書いてあることは、結構難しい!です…
なので執筆している中の人も万人受けはしないだろうなぁと思っています。
途中で読むのが辛ければブラウザバックしてもらってもOKです。でも、いつか戻ってきてくださいね。
良ければ、ゆっくりしていってください。
みんなはどう思う?
突然ですが、約1000人が働く組織において、
①退勤管理をタイムカードや特別なシステムを用いてデジタル的に行う
②出勤/退勤の状態を所定の用紙に書いてもらって管理する
どちらの管理方法が楽だと思いますか?
まぁ普通に考えると、約1000人も働いているなら紙媒体で管理すると「かさばり」そうって思うよね…?(圧
ならば!
紙媒体で管理をしている組織に対して、
「なんでデジタル化しようとしないの?効率良くなるのにっ…」
「デジタル化したら色々便利になるのにっ…」
って思うのは自然なことだと思います。
何ぞデジタル化せん。
(なぜデジタル化しないでいられようか。いやする(反語
でも実は、そんな簡単な問題ではないんです。何でだろうね??
それをこの記事で説明していく所存です↓↓
ふくし×DX
そもそもDXとは
読者のみなさん、DXって聞いたことありますか?
微分とかで見たことあるね
ん~ dy/dx ってやつね。それは間違ってないけど、それではなくて…
DXとはデジタルトランスフォーメーションの略語であり、企業が、ビッグデータなどのデータとAIやIoTを始めとするデジタル技術を活用して、業務プロセスを改善していくだけでなく、製品やサービス、ビジネスモデルそのものを変革するとともに、組織、企業文化、風土をも改革し、競争上の優位性を確立すること。
ーーーNRIホームページより引用
…長いですね。ごめんなさい。別に読まなくても大丈夫ですよ。
超絶簡単に言えば、デジタルの力を使って組織がより活動的に動けるように色々変えていこうよ!ということです。
最近ではよく耳にする言葉ですよね。
福祉とデジタル
そもそも”福祉”と聞くと、どんなイメージを持つのでしょう?
というかあまり”福祉”という言葉に馴染みが無いですかね?でも大丈夫です。自分もそうです(おい
聞き方を変えます。福祉という分野と理系の人が研究していることは、関連があると思いますか?
かく言う自分も理系の学生なのですが、実はあんまり「関係がある!」とは思っていませんでした。
唐突なネタバレになりますが現代において、福祉分野と理系は関連があるどころか、もっともっと密接に関わっていくべき関係なんですよね。逆に福祉に携わる方々も、「DXはバリバリ情報系の人のやること」という意識を変えていく必要もあります。(持論ですが)
・福祉(ふくし)分野において、もっとDXの風を吹かせる。
・乗るしかねぇ…このBig Waveに…状態にする。
・”ふくし”とDXを掛け合わせる。
∴ ふくしDXというワードが生まれました!
column
∴という記号は「よって/従って」という意味です。数学の参考書を見ると必ずお目にかかれます。
「SMARTふくしDX」にインタビュー
そんな「ふくしDX」をより詳しく知るため「SMARTふくしラボ」のプロジェクトマネージャー小柴 徳明さんにお話を伺いました!
本日はよろしくお願いします!
よろしくお願いします!
“ふくしDX”の取り組みを始めたきっかけ
どうしてふくしDXの取り組みを始めたのですか?
人口減少や高齢化が迫ってくる中で支援者も高齢化してきていて、支援する人たちを支援することを考えなきゃいけないんじゃないかっていうのがきっかけです。
「老々介護」や「8050問題」など、支援者側も高齢化していくなかでどのようにして介護や支援を続けていくかは社会課題になっていますよね。
column 「8050問題」
80代の親が50代の子どもの生活を支えるために経済的にも精神的にも強い負担を請け負うという社会問題のこと
もう1つ、介護分野の人材不足っていうところが大きなテーマです。3割ぐらいの人材はバックオフィスの仕事に時間をとられてるんですよね。
えぇ…そんなに。なんとかならないんですか?
そこにデジタルの力をうまく活用すれば、福祉サービスや支援がこの先も持続可能になるんじゃないかって。僕らは今いる人材でしっかりと回せるように効率良くして、本来の福祉のところに時間をかけれるようにするっていうのが今1番考えてるところです。
書類を書いたり記録をつけたりと本来の福祉や介護とはかけ離れた業務に時間がとられすぎてしまうのは、効率が悪いですよね。今いる人材で支援ができるようにしていくための鍵となるのがDXなんですね!
福祉業界とDX
例えば介護保険サービスの事業をやってると、そのために請求用のシステムとかソフトを買わされてたんですね。でも、現場でそれを使う人たちの中にはリテラシーが低いからソフトが良いのか悪いかもわからない人もいる。そういう意味ではデジタルに対して後ろ向きなんだよね。。
たしかに、リテラシーが低いと「デジタル」に対して苦手意識を持ってしまいがちですよね。
それは自分たちが勉強してこなかったってのもあるし、人の手とか紙とかでずっとやり続けてきて、 うまくアップデートしてこなかったこともある。企業は企業で、福祉のところに対して丁寧な商品とか、個々にカスタマイズされた製品とかを売る市場でもないって思っていて。
ソフトやシステムを売る企業からすると福祉の現場はリテラシーが低いから、それを逆手にとって不利益になるような製品を押し付けるなんてことも起こりそうですね。
だから、僕らは福祉団体とデジタルリテラシーとか業務改善とか、いろんなことをサポートしながら困り事の整理や課題を発見するようにしています。また、企業に対しては福祉の分野への理解と、そこにどういうニーズがあるかを一緒に考えていって、場合によっては一緒に実証実験をするような形で進めています。
福祉の現場に対してだけでなく、企業に向けてもアプローチを行っているんですね!
最終的には企業と福祉の現場がお互いにうまく活かすような形で繋がるっていうのが理想的です。ここがうまく繋がるためには、それぞれに学んだり、繋がったり、リテラシーを高めていくってことをやらなきゃいけない。だから、ラボがこの学ぶ場を作ったり、実験する場を作ったり、研究する場を作るっていうことをやっています。
(https://smartfukushilab.org/#positionより引用)
黒部市でのふくしDXの取り組み
黒部市が目指している状態は、フェーズとしては4つあって、 最後は全体最適化っていうところを目指してるんですね。
全体最適化とはどういうことなんでしょうか?
1つの事例をお話しすると、人口4万人の黒部市で日曜日に預けられるデイサービスがなくなったんです。それから、山のエリアに住んでる人は、ヘルパーさんに来てくださいって言っても、そこはサービス提供外の地域なんで行けませんって断られてしまいます。介護保険制度に基づいて同じ掛け金をかけてるのに、住んでる地域によってサービスがうけられないっていう状態がどんどん起きてくる。それがちょっとずつ現実として近づいてきていて。そうなると、家族としては日曜日預けられない。預けられないなら家で介護するのは無理だから施設に入れるしかないよねって、早く施設に入れちゃうんです。もちろん早く施設に行けばお金もそれだけかかるんですよね。
国はなるべく在宅でという方針なのに、世の中のトレンドは施設にって逆行してる。日曜日にデイサービスが受けられるように、黒部市全体でどこかでちゃんと受け入れれるようなものを作っていかないと、民間の市場原理だけで言うと儲からないとこはやめてくわけですよ。そうならないようにデジタルで繋いで、地域全体としては日曜日でのデイサービスがあるとか、 山間部でもヘルパーさんが来てくれるとかっていうような、そういうようなものを作っていきたいっていうのがDXの目指す全体最適化です。
なるほど、DXを推進することで地域全体にサービスが行き届くというのが全体最適化ということなんですね。そのために黒部市では今どんなことが行われているんですか?
自分たちの街を自分たちで良くしていくっていう市民参加のマインドを作っていったりとか、福祉の分野でのデジタル化を促進してくれるような人を育てていく場を作ってくってことが今の黒部市の取り組みです。
活動をする上で困難だったこと、
大事に思うことは?
新しい風を吹かすとなると、やはり大きな壁が立ちはばかるようです。一体どのような困難があったのでしょう?
とにかく温度感ですね。担当者、組織内の温度感もあるし、いざやろうと思っても組織内でデジタルっていうものに抵抗する人たちもいました。
なるほど、温度感。これすっごく分かります…。
自分も全体的な効率化を狙って開発したシステムを提案した時、「やっぱりリスクもあるし、手でやるのが妥当じゃない?」と言われました。
しかも、それやったらお金かかるし、将来そのお金はどうなるの?みたいな話がすごくよく出てきていて…。
はいはいはい、そう言いたくなる相手側の気持ちも分かりますけどね…。
でも開発側は、「絶対これを導入した方がいいのに!」と心のどこかで思っている。ジレンマかもしれません。
だからこそ僕らは費用対効果とか、削減した時間とか、そういったことを必ず出すようにする調査研究をしてきたんですよ
どういう業務に何分かかってるかっていうのを全部計算してね。ハンコを押す、これに1分かかるとか。ある業務のフローにおいては最終的にこれだけ時間を削減することができたとかを言うようにしています。
ハンコの時間まで織り込んでいるとは….徹底的ですね笑
でも数字で示されたデータがあるとないとでは、説得力に雲泥の差が出ますからね。
データなんかねぇよ、うるせぇよ
僕らが実際にそのシステムを導入してみたら、総務の管理する人たちは変更点をみんなに説明する必要があって、負担が凄いと感じました。実際はデジタル化しても負担が減るばっかりじゃなくて、デジタルによってやらなきゃいけない業務っていうのはまた増えてくるってことになる。そういったことをちゃんと発表して、 どううまく使うかってことを考えてもらうみたいなことをラボではやってます。
!!!(ここでごととんに電流走る)
凄い素敵なことだなと思いました。だって、売る側としては
「折角開発したのだから使って貰いたい!だから良いところをどんどん推していきたい!」
と思うのは普通のことじゃないですか。それでも
「こういう結構ネガティブな面もあるけど、それを踏まえた上でどうしますか?」
と相手に考えてもらうようにしていると聞いて、相手に取っての一番をしっかり考えていらっしゃるんだな…と感動しました!
そして、「デジタル化しても負担が減るばっかりじゃない」ということは皆さんに知っておいてもらいたいことでもあります。
ある立場の人は楽になるかもしれないけど、ある立場の人の負担は急増するかもしれない…
だから、デジタル化を押しつけるといったことは御法度!!
自分たちが体験して気づいたことも晒していくということは必ずやります。
これはデジタルでできるかもしれないけど、人がやった方が早いよねって話もいっぱいある。私たちの目的は、相手が自分たちでリテラシーを持って、AIとかをどこに使うべきなのかってことを考えてもらうことなんですよね。
さすがです、の一言に尽きます…
今の時代、デジタルリテラシーはどの業界の方にとっても必須だと思いますしね…
お金(コスト)のこと、組織のこと、実際に使う人が便利に感じるかの3つが揃ってないと進まない。
勢いでやっても結局最後まで行かないのは、その3つのことを考えてないから。DXを組織で導入していくためには抑えなきゃいけないポイントかなっていう気はします。
デジタル化したい人にはしたい人の想いが、今を維持したい人にはその人の想いがあるわけですね。「こっちが正しい!」と言って思考を押しつけてしまうと、組織内で統率が取れずどこかで破綻します。
全員が同じ方向を向けるように、ほどよい主張とほどよい妥協が必要。これが組織をデジタル化する上で難しいところですね。
勢いじゃ、だめってことだ!!
ありがとうございました!ひたすらに心を打たれました….!
学生へのメッセージ
今や、全てのものは情報の上に乗っかっています。つまり情報は“インフラ”なのです。
ということは福祉も情報の上にあって、情報社会やDXと関係がない訳ではありません。皆さんの持ってるスキルとか情報、まさにデジタルとかDXの力みたいなものを取り入れて、どんどんアップデートしていくことがすごい大事です。
一気にドン!と大きなアップデートを行う必要はありません。変えていけるところ、変われるところをちょっとずつ直して、DIYのようにみんなで一緒に新たな福祉の形を創り上げていけば、ふくしDXはもっと加速していくと思っています。
もし情報系とか理系の皆さんが、この領域にもっともっと関心持ってくれるとすごく嬉しいな。
インタビューをすればするほど、素敵な活動をされているのだなと感じました。
お世辞でもなんでもなく、マジです。
本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました!
あとがき
今北産業
column
今北産業とは、「会話に遅れてきちゃったから今までの内容を三行箇条書きで教えて」という意味の2ch用語です。
あら…仕方ないですね。それでは、
・福祉はDXと深い関係がある→“ふくしDX”
・DXは勢いだけでは進まない。
・福祉の現場と企業との橋掛けとして“ふくしDX”を推進しているのが【SMARTふくしラボ】!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
福祉のことをあまり知らない特に理系の学生が、福祉の分野に興味関心を向けるきっかけになれば嬉しいことこの上ありません。
記事の一番初めに
「なんでデジタル化しようとしないの?効率良くなるのにっ…」
「デジタル化したら色々便利になるのにっ…」
って思うのは自然なことだと思います。
と書きましたが、それは「デジタル化したい人の思考」に過ぎません。確かに世の流れはデジタル化ですが、それに難色を見せる方を「敵対視」してはいけません。
意見をぶつけ合うのはとても良いことですが、押し付け合いになってしまうと何の進展も生まれないと思います。
お互いがお互いの良いところを上手く取り合って、より活動的な場が作り出せると良いですよね!
それでは、お疲れ様でした!
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