とあるイベントで知り合い、それ以来お世話になっているほりっちさん🍊
ほりっちさんは講演会などを行う傍ら、ご自身の体験を発信するYouTuberでもあります。
とてもアクティブで、さまざまなことにチャレンジされるほりっちさん。
その原動力はいったいどこから?普段の生活は?これからの目標は?などなど…
ほりっちさんこと堀祐輔さんにインタビュー!たくさんお話を伺いました🙌
普段の暮らしについて
ー堀さんは寮で生活をされているんですよね。
そうですね。仕事をしながら寮生活をして、実家を離れて1人で生活してるって感じですね。
ーお一人暮らしをして変わったこと、良かったと思うことはありますか?
実家を出て12年経つんですけど、地元が田舎っていうこともあったんだけど、1人で出かけるってことがなかったんですね。
就労B(就労継続支援B型:雇用契約を結ばないことが特徴)ってお給料も少ないし、そんな少ないお金でじゃあどこに遊びに行くってなったときに、親に結構、「障害があると危ないこともあるし……」と引き止められることも結構あって。実家にいた時はほぼひきこもり状態でしたね。
SNSを始めて1年くらい経った時に、いろんな人と繋がるわけです。それをきっかけに出かけるようになって。
音楽が好きで、最初繋がった人がバイオリニストの方だったんです。SNSでやりとりしてたんですけど、ある日ライブやるから見に来ないって言ってくれて。でも会場が階段だったんですよね。車椅子とか杖だし(ライブに)行けるんかなって不安なメッセージを送ってたら、会場まで来てくれて連絡してくれたら手伝うよって言ってくれて。
スタッフが(手伝いに)出てくるのかと思ったんですけど、そうじゃないんですよね本人たちが出てきてくれて、手伝ってくれるんです。そうなったらもう行くしかないよなって嬉しくなって、それが初めて出かけるきっかけで。2012年かな、初めて1人で大阪に行ったのが。右も左もわからない状態で。それこそ「はじめてのおつかい」状態です。
1回行ったのがきっかけで、行けるじゃんっていうか、何か自分に自信がついたのか、そっから出かけるようになって今やディズニーに行ったり、そこまでつながってる感じですね。行動範囲が広がったってのもあるし、親から離れて、引き止める人がいなくなってほぼ自由に動けるようになったってのが大きいかな、やっぱり。
もちろん自己責任が付きまとってはくるけど、遅い青春だと思っています。
だから繋がりって大事だなと思います。
お仕事について
ーお仕事はどのようなことをされているんですか?
自分が所属しているところは、就労支援B型、A型、特例子会社と3つあるんですけど、自分は(雇用形態が)A型になってからは、その特例子会社の中で出向みたいな形で働かせてもらっています。ちょっと特殊な感じで。
それはなんでかっていう話なんですけど、製造がメインの会社なので手先の器用さが必要になってくるんですね。B型からA型に上がろうと思ったときに、やっぱり自分の障害上、手先が速くないし、人以上にうまくできないっていうところがあって、製造の部分でA型に上がるのは難しい話になりまして。
ならば、違うところでA型になることはできないのかって話を自分からちょっと相談して、じゃあこっちの方向あるよねって感じで(会社が)考えてくださって、そこでちょっとトライさせてくださいっていうお願いをした結果、今に繋がってるって感じ。
ー事務作業のような形ですか?
CSR課という社会貢献事業を行う部署があって、会社に見学に来る方の案内をする仕事ですね。
コロナ禍以前には、国内外から年間5000人ほどの人が見学に来られていたので、そういう方たちに障害のある方がどういうふうに働いているかとか、これから障害者雇用をしようとしてる企業様に、どうやって障害のある方を雇用できるようになるのかっていうノウハウを提供するお仕事なんですけど。自分が講演会とかもやってた経験があったので、そういった見学案内とかさせてもらえないですかねってお願いをしました。
この2年、その見学案内とかをチャレンジしてきたんですけど、見学案内だけじゃなくて事務作業などもこなす中で、いろんなことが合わさって自分自身がちょっとパニックになっちゃって、見学案内は断念しまして。
じゃあどうすんのって話になったときに、たまたま同じCSR課の中で新しい事業を始めたんですね。それが会社全社で使ってるパソコンのリサイクル業務で、全国各拠点から集結したパソコンのデータ消去を自分一人でやっている状況です。毎日20台から30台ぐらいのデータを消去しているので結構大変です(笑)。
でも、今まで各個人でやられたデータ消去の作業を自分たちがやることで、その人の本来の業務に集中してもらえるようになるので、会社全体の品質も効率も上がるし、見学案内じゃないけど、社会貢献に繋がる自分のやりたかった仕事につながっているなって感じます。
ー堀さんのできることや難しいことを踏まえて、会社側も柔軟に対応してくださっているんですね。
そうですね。自分にはこれは難しいけど、これだったらできるということを伝えていったところは大きいのかなと思います。B型を15年経験してせっかく上がってきたA型だったので、これで諦めたくないなと思って。
福祉住環境コーディネーターの資格を取得しようと思ったわけ
ー福祉住環境コーディネーターの資格を持っていらっしゃいますが、なぜ取得しようと思われたのですか?
高校卒業して1年半くらい、どこも就職するところがなくて、ずっと家にひきこもっていた時期があったんですね。その時に、うちの母親が「これやってみたら?」って渡してくれた参考書が、福祉住環境コーディネーターでした。
最初はなんかやる気なくてずっと放置してたけど、自分もこういう身体だし、何か将来役に立つことは絶対あるだろうと思い立ってやりだしたのがきっかけです。
半年ぐらい勉強して、その福祉住環境で年間2回ぐらい試験日があるんですけど1回で受からず、10点ぐらい足りひんみたいな感じで。でもそれで諦めるの悔しくて、受かるまでやると思って結局3回やって取得しました。
ー資格を取得して、その知識が役に立つなと感じたことはありますか?
SNSで出会った人で美容院をやられてる方がいて、元々は2階で運営されてたんですけど、最近ベビーカー連れた親子とか、老人とか足の悪い方が何人か来ることが増えていて、お店を1階に移転しようと思うんだって話になって。
自分も1回行ってみたいなって話をしてたら、じゃあ車椅子でも行けるような、入り口だったり、そういう環境にしたいから、ちょうど福祉住環境(の資格)持ってるよね、どうしたらいいかちょっとアイデア教えてくれる?って言われて自分が知ってる情報は伝えたことがあります。
仕事としては使ったことはなくて。本当にプライベートな感じで人に伝えるぐらいしかしてないんですけど、自分自身がこういう体だからこそ、勉強しなくても普通に身についてる部分もあるので、何か直感で答えられる問題も結構あったりして、実体験として役に立つことはたくさんあるんだなと思っています。
発信する理由や理念
ー堀さんはYouTubeやSNSなどで積極的に発信されている姿が印象的です。
YouTubeでは自分の好き勝手にやってるんですよね。
3年前に車の免許を取りまして、その様子をYouTubeに上げてるっていうのもその一つで。実は、障害のある方が車の免許取ってるって情報がほとんどネット上に載ってなくって。
免許を取る方法だったり、どうやって車を運転しているのかっている情報をYouTubeに上げることで、これから取ろうとしている障害のある方にも何か知ってもらいやすくなるのかなと思っています。
ーちなみに、おすすめの動画はありますか?
最近、クライミングにはまってて、障害があっても、何かできることがあるんだよっていうことを動画を通じて伝えていきたいっていうのはあって。
ーYoutubeや講演会を通して発信をしていく上で、ここは意識して伝えようとか、こういう部分を見てほしいと意識されていることはありますか?
単純に障害があるなし関係なく、できひんから諦めようっていうの結構多いじゃないですか。「できないと諦めるんじゃなくって、じゃあどうやったらできるんだっていうふうに考えてトライすることって楽しくない?」って言ってて。できたときの喜びって絶対みんなあるよねって。
それって障害に関係なくってすごく大事なことだから、できなかったとしても一度はチャレンジしてみようっていうのは伝えてます。どうせできないって思ってチャレンジしないのは勿体ない。やってみて出来なかったら諦めればいいしね、無理にやる必要ないし。やってみて出来るってわかれば続けていけばいいし。
それが今回、クライミングだったりするんですけど。
あと、講演会で一番生徒から聞く声が、「どうやって(車椅子の方に)声かけていいのかがわからん」ってことで。私の意見としては、声かけてみたいときは声かけていいんだよって。そういうことを自然と伝えてあげることで、自分たちの社会貢献じゃないけど、発せられるメッセージがあるんだろうなと思って。
なかなか車椅子を押すっていう体験ないじゃないですか。だからそういうことを自然に伝えられることって大事かなと思います。引きこもってたらそういうことって起きないし、やっぱり出かけることでそういうのが発見できたり伝えられることもあるんで。
動くからこそこうやって繋がるし、そっからまた繋がっていって新しいことにも繋がっていくだろうし、こうやって喋ってることも、違う人にまた違う形で伝わっていくってなるとまた違う形に繋がっていくだろうし、これ大事だなと。
将来の展望や目標
ー今後チャレンジしてみたいことや目標はありますか?
講演会だったり、自分の経験や想いを伝えられる場をもっとたくさん増やせていけたらいいなって思います。
やっぱり会社の見学案内って、これを伝えてねって決まりがあるから伝えにくいんですけど、自分の経験って失敗ないじゃないですか、何を伝えてもいいので。だから伝えやすいし喋りやすいし。今こうやってしゃべっていることも何を気にすることなくしゃべれるし。そういう場面っていうのが自分にとって合ってるんだろうなって。
実は2,3年ぐらい前から地元の自分が通ってた高校に呼んでもらっていて。母校で講演すると同級生の子どもが聞いてるなんてこともあって、恥ずかしい部分もありますけどね(笑)。でも毎年来て欲しいって言ってくれるだけで嬉しくて。そうやって地元に貢献できるのはすごく嬉しいです。
講演会だったり、そうやって自分の想いを訴える場は続けていけたらなっていうふうに思いますね。
あとは、いろんなところに出掛けるの好きだから旅行にも行きたいですね。去年も岡山に行ったり広島に行ったりしたんですけど、知らないおばちゃんがもみじ饅頭くれたり、美味しいカフェがあるから紹介するよって車椅子押して案内してくれたり、素敵な出会いがあって。
出かけることでいろんなことが発見できるし、伝えられることもあるなと思いますね。
堀さんのお話を伺っていると、自分も何かに挑戦してみようという気持ちが出てきます!まずは早起きから頑張ります
堀さん、ありがとうございました!
ほりっちさんの挑戦や旅の様子はこちらのSNSからチェックしてみてくださいね✨✨
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